
ウィーンの年末年始といえば、真っ先に思い浮かぶのは音楽の祭典。 ウィーンフィルのニューイヤーコンサートが有名ですが、大晦日に上演されるヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ(喜歌劇)「こうもり(Die Fledermaus)」は、この街の「年越しの顔」とも言える特別な公演です。
人気は年々高まっているようです。私は13年ぶりにウィーンで年末年始を過ごしたのですが、以前に比べて「チケット争奪戦の激化」と「価格の高騰」を感じました。
今回は、国立歌劇場のチケットが取れなかった体験、フォルクスオーパーでの素晴らしい観劇、そして現地滞在者だけが楽しめる「ニューイヤー」の過ごし方まで、最新のリアルをお届けします。
「ウィーンからブダペスト日帰り」はこちら🔗
この旅の全貌はこちら🔗
✏️目次
年末「こうもり」のチケット事情
13年前とは別世界!?
「こうもり」は夫婦そろって大好きな演目。ウィーンで年越しするからには、観劇しないわけにはいきません。
13年前にウィーンで年越しした際は、大晦日の昼と1月1日の夜にフォルクスオーパー、1月4日に国立歌劇場で「こうもり」を観ました。つまり計3回です(どんだけ好きなんだ?笑)。
この時は、大晦日の夜は高いのであえて外したのですが、今回は「やっぱり大晦日の夜に観たい!」と意気込んでいました。
というわけで、チケットの発売日については早々にチェックしていたのですが……。
13年前は多少の余裕を持って手配できたので、発売から数日後に予約しようとサイトを確認したところ、状況は一変していました。
発売数日後の状況
- 国立歌劇場(シュターツオーパー): 大晦日の夜の「こうもり」はソールドアウト。大晦日の 昼や前後の日程のチケットも、少し残っている程度。
- フォルクスオーパー:国立歌劇場ほどではありませんが、以前と比べるとだいぶ早めに席が埋まっていました。
- 価格の跳ね上がり: 13年前と比較して、チケット価格は国立歌劇場・フォルクスオーパー共に、さらに上昇していました。もはや富裕層がターゲット?
フォルクスオーパーでの観劇
市民に愛される名劇場
写真は2019年に撮影したフォルクスオーパーの外観です。
ウィーン国立歌劇場は「世界三大オペラ座」の一つともいわれる超有名オペラハウスですが、一方、フォルクスオーパー(市民オペラ)は、その名の通り大衆的で、オペレッタやミュージカルが多く上演されています。
オペラは高尚?で難しいイメージがあるかもしれませんが、フォルクスオーパーはもっと気軽で楽しい感じ。それでいて「さすがウィーン」なクオリティです。むしろ最もウィーンらしいと言えるかもしれません。市民に愛される名劇場といったところでしょうか。
13年前にこうもりを聴き比べた際の感想は「国立歌劇場の方が歌手、オーケストラ、合唱のレベルが高い上に、舞台装置がとにかく豪華で素晴らしく、リッチな気分に浸れる。でもオペレッタとしての楽しさと役柄のイメージはフォルクスオーパーの方に軍配」でした。それぞれの楽しみ方があると思います。
アクセスと会場周辺、外観
12月31日の夜、フォルクスオーパーを訪れました。宿泊していたホテルの最寄駅「ハンデルスカイ駅」からUバーンのU6で一本。トラムの停留所もすぐ近くにあり便利です。
劇場に着くと、紫色にライトアップされた外観が出迎えてくれます。写真は2024年3月撮影。2022-2023年の改修でLED照明が導入されたそうです。この華やかな光が年越しの気分を盛り上げてくれました。
座席や服装のリアル
チケットは公式サイト(ドイツ語)🔗で手配しました。英語ページもあります。言葉の不安がある方には、日本語で購入できるvienna-concert.com🔗がオススメです。
今回は、あえて一番上の「ギャラリー席」を予約しました。
予約した最上階の席からの眺め。舞台全体とオーケストラピット、そして劇場の華やかな装飾が見渡せます。
この席は9種類あるカテゴリーのうち上から3番目。価格は1人€150(2万7758円)でした。大晦日の夜でなければ半額程度(€80前後)です。日本での引越公演の価格と比べるとかなりリーズナブルです。
「上の方の席だと楽しめないのでは?」という心配は無用です。音響は素晴らしく、劇場全体の華やかな熱気を肌で感じることができます。
ほかにも立ち見席や、座ったままだと舞台が全く見えない席など、より一層リーズナブルな席もあります。発売日にすぐチェックすれば、予算や希望と相談しながら、自分にとって一番良い席を賢く選択できると思います。
「ドレスコードが心配」という方も少なくありませんが、普通のセーターとスカートで問題ありませんでした。上👆の写真で前方席の人の服装が見えるでしょうか。この日は大晦日のこうもりということで、普段よりおしゃれをしている人が多めな印象でした。

こちらは当日のキャスト表。開演前に、当日の配役表をチェックして気分を高めます。
なんと、アイゼンシュタイン役がダニエル・シュムッツハルト、ロザリンデ役がアネッテ・ダッシュです。この2人がダニロとハンナを演じたフォルクスオーパーの「メリー・ウィドウ」が大好きなので、これは大きなプレゼントです。フォルクスオーパーにしてよかった!
そして、歌わない「セリフ役」の看守・フロッシュ役が女性です。これは面白い。フロッシュ役はフォルクスオーパー元総裁のロベルト・マイヤーさんのイメージが強烈なので、むしろ女性が演じて新しいイメージが作られる方がいいかも!
ただ、フロッシュのセリフの内容も一新されていたので、あまり理解できなかったけど……。まあ、この部分はいずれにしろ100%理解するのは無理なので、雰囲気が楽しめればOK。会場は大爆笑でした。
総じて期待以上に満足な体験となりました!
「こうもり」を100倍楽しむために
映像での予習が絶対おすすめ
「こうもり」は喜歌劇ですので、登場人物の複雑な関係やジョークが分かると、面白さが倍増します。 フォルクスオーパーでは字幕ドイツ語と英語の字幕が出ますが、細かいニュアンスを理解するのは至難の業です。
そこで絶対におすすめしたいのが、映像予習。
日本語字幕が付いた映像でストーリーを頭に入れておくだけでも全然違いますし、「このシーンではこのやりとりが笑える」などと理解しておくと、地元の人たちと一緒に笑えて楽しい。「せっかく高いチケットを買ったのに、内容が分からなくて残念」という悲劇を避けるための必須投資と言えるでしょう。
何より「こうもり」は、誰もが聞いたことのあるチャーミングなメロディが散りばめられているし、ストーリーも含めて本当に楽しいのです。
おすすめのDVDはこれ一択。カルロス・クライバー指揮、バイエルン国立歌劇場の「こうもり」です。「こうもり」の楽しさや素晴らしさが全部詰まっています。
オペラ鑑賞についてのTipsは、別の記事にも書いています。
ベルリンについてはこちら。
ウィーン国立歌劇場については、こちらに詳しく書いています。
「ニューイヤー」はホテルのテレビで鑑賞
日本とは異なる番組編成
明けて元日。世界中が注目する「ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート」の当日です。写真👆のムジークフェライン(楽友協会、2025年6月撮影)で開催されます。
このプラチナチケットの抽選倍率は数百倍とも。とても入手できません。でも、現地にいるならテレビ鑑賞もまた格別な体験になります。
オーストリア放送(ORF)では、開演2時間前からヨハン・シュトラウス2世の紹介や、ニューイヤーコンサートに向けた指揮者の取り組みなどを追ったドキュメンタリーを放映していました。これがとても面白い!(日本でも放映してほしい)
前夜のフォルクスオーパーの余韻に浸りながら、暖かいホテルの部屋で本格的な解説と共にコンサートを待つ。現地滞在者だけの特権です。
そしてなんと、同じ映像はシュテファン大聖堂前のパブリック・ビューイングでも観られるそうです。観光しながらニューイヤーコンサートが観られるなんて、やっぱり音楽の都は違いますね。
楽しみ方は人それぞれ
チケット代が高騰する中(というか、円が安くなっている影響も大きいのですが)、ウィーンの年末年始を賢く楽しむには、ちょっとしたコツがあります。
- ANAマイルを活用して航空券代をカットし、観劇チケットに予算を集中
- 事前の予習で体験の価値を最大化
- 国立歌劇場とフォルクスオーパー、チケットの種類をうまく選び分ける
音楽の専門家でなくても、この「戦略」があればウィーンの年越しは最高に豊かなものになります!
あわせて読みたい
次回はニッチな(笑)観光名所、プラーター公園とフロイト博物館についてです。お楽しみに!
我が家のANAマイルの貯め方はこちら🔗
この旅の全貌はこちら🔗